発売直前・龍が如く3特集 第1回
龍が如く3、もうすぐ発売であります!
龍が如くシリーズは「2」だけ買って積んでいる残念な人が言っても全く説得力がありませんが、こういう作りこまれたゲームが出るとつい燃え立ってしまいます。
そういう訳で、これから数日は龍が如く3にちなんだ沖縄トリビアをご紹介。
龍が如く3を買った友達に話したりすると、ちょっと自慢になるですよ。
[舞台]
今日は舞台についての話をしよう。
龍が如く3の舞台は沖縄、琉球街。
今までは新宿歌舞伎町や大阪道頓堀をモデルとしてきたが、今回のモデルは沖縄県沖縄市。
あまりにそのまんまな名前のこの街は、米国統治下時代にコザ市とされたことから今でもコザと呼ばれている。
BLOOD+や池上永一の小説なんかにも出てくるので、知ってる人も多いかもしれない。
かつて米軍基地があった街で、米兵向けの歓楽街として栄えていた。
ベトナム戦争時代はあちこちで明日の命も知れぬ酔った米兵達*1が暴れたりしてかなり危険な街だったそうだが、基地が無くなった現在はかなり寂れた街となってて、いわゆる廃墟系である。
東南アジアを思わせる独特の雰囲気が漂っており、道行く人々も人種多様だ。
沖縄人、観光客、アメリカ人、フィリピン人、沖縄人とアメリカ人とのハーフ。
沖縄人とアメリカ人のハーフのことを現地ではアメラジアン等と呼ぶことがあるが、あまり良い呼び方ではないのでマネしない方が良い。
不思議な印象のお店も多い。
ディノドン(意=恐怖の歯)という名前の爬虫類ショップ。
昭和的な字体でニグロパーマなどと書かれた看板を掲げている床屋。
目出し帽とマフラーとサングラスばかりを全て1000円で売っている店。
カオスなアジアが平然と隣接しあっており、なんというかB級という言葉をあてたくなる。
そんな現在でも沖縄有数の飲み屋街であることに変わりはなく、神室町よろしく昼より夜のが華やぐ。だが、夜中ひとりで繰り出すにはちょっと勇気の要る街である。
さて、前述した通り沖縄市にはかつて米軍基地があり、前後の複雑な背景の中危険な街であった。かつての危険さを物語る事件のひとつとして有名なのが、コザ暴動事件――
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%B6%E6%9A%B4%E5%8B%95
――よりも目を引く、毒ガス基地の項目。
ウィキペディア先生はサラッと書いておられるが、サリンは勿論VXガスはタブンに次ぐ威力として、上から2番目の殺傷力を誇る猛毒である。
当時を知る人によれば、当時は米軍基地内に小高い丘が有り、そのてっぺんにカナリヤ代わりにヤギが繋がれていた。
だが当時は誰もその意味が分からず、
「アメリカ人は動物が好きなんだなー」
程度のものだったそうだが、正にそのヤギの足元に毒ガスのタンクがあったと言われている。毒ガスが漏れれば、ヤギが死んですぐに分かる──という訳だ。
今でもそれによく似た小高い丘は軍敷地内に偏在するが、件のヤギは見かけない。
安心であるが、チョットだけそのヤギとやらを見てみたかった気もする。
いつの間にやら話題がズレてしまったが、沖縄市という場所は日本とは思えない独特の背景を持っていて、名越監督の嗅覚は和製ハードボルド的にはグッジョブなラインだ。
惜しむべくは、新宿や大阪を舞台としたハードボイルドは沢山書かれているのに、沖縄を舞台としたハードボイルド小説がそれほど多くない為、龍が如く3をプレイし終わったあとに本屋さんで関連した小説を探す楽しみが少ないことだろう。
メジャーなところだと福井晴敏のTwelve Y.O. くらい。
- 作者: 福井晴敏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/06/15
- メディア: 文庫
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*1:特に最前線に送られる黒人兵が悲惨だったという。麻薬の方も多かったらしい。