杉田病?

杉田病・キョン病というのがごく一部で流行ってるのだとか。
発症すると冷静で淡々とした一人称、及びシニカルな言い回し等が、杉田智一の声で脳内再生されるというものらしい。
「ああ、釘宮病とか堀江病の変種ですね」
身近な知人にその症状が出たとき僕はそう思ったが、あまりに軽く考えていた。知人も軽く笑っていた。だがネットで知り合ったT様は、もっと重大な副作用に悩んでいるらしい。



T様「杉田病になったのです」
拙者「杉田病って……ああ、ハルヒ銀魂にハマったのでありますか?」
T様「そうなのです。でも最近ちょっとツラいです」
拙者「ツラいとは? 楽しそうに思えますが」
T様「いや、確かに楽しいんだけど──ハードボイルドとかミステリが読めなくなるのですよ」
拙者「何故に?」
T様「タフでユーモアのある大人な男だと思っていたのが、全部キョンと銀さんになるのです」
拙者「!?」
T様「パンク侍さんに勧められた『重力の衰えるとき』のマリード、あれもキョンになりました」
拙者「マリード・オードラーンが!?」
T様「自分でも嘘だろ、と思ってカート・キャノンも試したけどやっぱりキョンになりました」
拙者「キャノンは荒っぽい男じゃないですか!」
T様「普段はキョンで、荒っぽいところが銀さんになる」
拙者「なんと便利な」
T様「古典で試してもダメでした。今フレミング版ボンドを読み返してるのですが、ボンドが……」
拙者「うわああああああっ」


なんと恐ろしい杉田病!
ハルヒを読んでて(観て)、ハードボイルド小説を愛好する者全員が危険にさらされているとは! いや、好きなら人なら構わないが。
だがなんか自分も今にも発症しそうで恐ろしい。


俺の脳内ではキャノンのCVは磯部勉なのに!
まあ、そいういう己が既に数年来の釘宮病、堀江病患者なのですが。