おぉー、なんかスラスラ読めるしおもしろーい、と富士見さんは言った。


http://horror.g.hatena.ne.jp/COCO/20061118


イリーガル・エイリアン (ハヤカワ文庫SF)

イリーガル・エイリアン (ハヤカワ文庫SF)

本当か。
本当にそんなにスラスラ読めるものなのか。
本当にそんなにスラスラ読めるものなら読んでみたい。
私がヘタレなだけなのかもしれないが、翻訳小説でスラスラ読めた作品は多くない。(翻訳小説ばっかり読んでる癖に)
それこそクライトン作品か、ハイペリオンくらい。
つまり酒井昭信ってことだ。

富士見さんの言う事は真実や否や。
せっかくなので身を持って検討してみることにした。
できるだけ富士見さんとシチュエーションを会わせる為、私もソウヤーに詳しい某方から借り、布団の中で読む事にする。
こういう事には細かい性分なのである。
気合充分、準備万端。
さあ、かかってこい!



「おぉー、なんかスラスラ読めるしおもしろーい」(5分もせずに)



とういわけで、現在楽しく読書中です。
もうすぐ読み終わるけど、読み終わるのを待てずにブログ書いてしまっている。
それぐらい楽しい。
順調に進んでいるかに思われたファースト・コンタクト中に起きてしまった殺人事件。
容疑者はエイリアン。エイリアンを裁判にかけることができるのか?
そしてその裁判は公平に行えるのだろうか?
SFの設定を使うが、仔細な部分は徹底してリアルの描かれる。

表紙に描かれている奇妙な姿のエイリアンがどの様な倫理・道徳観を持ちえるのか?
それはどの様にして生まれてきた考え方なのだろうか?
見たこともないエイリアンを公平に裁く事のできる陪審員をどんな風に選出すれば良いのか?


上記したすべてが理詰めで行われ、理詰めで説明される。
もうある種のハードSFと言ってもいい。
法廷ハードSFとでも言おうか。
まだ読んでいる途中だが、作品背景に登場する故スティーヴン・J・グールドが作品解釈の重要なキーの様だ。
楽しい。とにかく楽しい。
久しぶりの心躍るSF。
普段SFを読まない様な方にもオススメである。
それほど新しい本でもないので古本屋さんにもあるかも知れない。
本屋でどうしても見つけられない方は、私や富士見さんの様にSF好きの知人に借りると良い。
そして布団に潜り込み──以下略であります。